2016年9月4日日曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年03月16日から03月20日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

2014年03月18日(火)
安全規制のノウハウのない日本が原発を輸出するのか ブラッドフォード氏 
2014/02/25 安全規制のノウハウのない日本が原発を輸出するのか ~外国特派員協会主催 元米NRC委員ピーター・ブラッドフォード氏 記者会見  米国の原子力規制委員会(NRC)の元委員で、現在米バーモンド法科大学院教授を務めるピーター・ブラッドフォード氏の記者会見が、2月25日に日本外国特派員協会で行われた。
2014年3月18日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 東日本大震災・原子力発電所 / 気になるネット情報から |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/693/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

中國観光客の日本の感想のいくつか  驚愕と賞賛

恐るべき日本人...様々なエピソードに驚愕、中国ネットで賞賛の声
XINHUA.JP 3月16日(日)1時17分配信

世界の旅行市場の中で、中国の存在感が増している。中国国家統計局によると、2013年に海外旅行者した中国人は延べ9819万人。対前年比で18.0%の高い伸びとなっており、2014年には1億1000万人を突破すると見られている。人民網などが報じた。

海外旅行者が増えるのにともなって、ネット上に発表される中国人の日本旅行記も増えている。実際に訪日した中国人たちの旅行記は好意的なものがほとんどだ。例として最近発表された「恐るべき日本人」と題した文章を紹介しよう。

筆者は日本旅行を経験した中国人で、自身の体験や人から聞いた日本人の礼儀正しさに関する以下のようなエピソードを列挙している。

「阪神淡路大震災の時、ある貸金業者が多くの被災者に無利子・無担保で融資を実施したが、“恐ろしいことに”3年後にはすべて返済された」

「1994年の広島アジア大会の閉会式後、6万人を収容した競技場に紙屑一つ落ちていなかった」

「日本の若者は痰を吐いたり、ゴミをポイ捨てしない。エスカレーターに乗る時には、急ぐ人のために片側を空けている。交差点では必ず青信号になるまで待つ」

「1人でツインルームに泊まった際、日本の友人から『使うベッドは一つだけにすればホテルの手間が省ける』と忠告された」

「ガソリンスタンドでは従業員が車の誘導から給油、会計まですべてやってくれるため、車を降りる必要がない」


「誰もいない道端に無人の販売所があって、ミカンが1カゴ100円で売られている。誰かが盗んでも分からないのに、常に商品が補充され、しかも盗む人がいない」

「レストランやバー、喫茶店、商店、路上などで大声で話している人がいない」

文章は、こうした日本人の礼儀正しさを「恐るべき高度な文明だ!」などと称賛する一方で、「5000年の文明を誇る中国人は、文化大革命後に文明を失った」と中国の現状を嘆いている。
(編集 都築)

引用元

お互いに相手の国に行けば、印象は相当変わる。自分の中韓出張の体験でもそうだった。一般の人間はお互いそんなに変わることはまずない。
 
2014年3月18日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 中韓との関係 / 気になるネット情報から |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/689/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

2014年03月17日(月)
わずか69年前の今日のこと。1945年3月17日神戸大空襲。
今からから69年前の3月17日、神戸市西部はアメリカ空軍による一般市民無差別大量殺戮の焼夷弾絨毯爆撃を受けました。何次にも亘って投下された焼夷弾の下には、最後までどこにも名前の出ることなく死んでいった多数の一般「くにたみ」がいました。

画像は「神戸大空襲」のHPから引用

アメリカ空軍からみた『神戸空襲の意味』

神戸は、日本で六番目の大都市、人口約100万人、日本の主要港である。造船所群は、船舶建造と船舶用エンジン製造能力の面で日本最大の集中地域。

神戸で、本州の西端からの山陽本線と大阪・東京への東海道本線とが連結している。

鉄鋼、鉄道車両、機械、ゴム、兵器などの基幹産業施設は、神戸の輸送活動と密接に関連して立地している。

神戸を通過する国道は、市中の密集区域を通過している。

攻撃目標として選定された地域は、1平方マイルあたりの人口密度が平均10万人以上、高度に密集した市の中心部である。

§「米軍資料による神戸大空襲」のHPはこちら

一部引用・・

 1995年1月17日、神戸をマグニチュード7.3の都市直下型地震が襲った。阪神・淡路大震災と名付けられた大災害に見まわれたのである。しかし、神戸はその50年前の1945年、マリアナ基地からのB29部隊による激烈な爆撃を受け、一面の焼け野原となった。1945年の戦災と1995年の震災、いずれも、神戸市民にとっては、神戸の街を壊滅させた歴史に残る大事件であった。

 震災復興の過程で、年配の市民は戦災と重ね合わせながら、「あの災害からも立ち直ったのだから」と想いをいだいたという。戦災とはどのようなものだったのか。神戸の市民にとって、一体どのような体験だったのか。

戦後60年余を経て、戦災体験を持つ世代はだんだん少なくなってきている。現在平穏に暮らす街には、その悲劇の記憶の面影はない。そこで、あの大空襲を考える手がかりを提供するのがこのホームページ作成の目的である。

 これまで市民は、受けた惨禍について、体験者の視点から戦災を語り継いできた。しかし、空襲をした側の資料は、市民は簡単にみることができない。そこで、大空襲の全体を明らかにする意味から、これに加え、今回アメリカ軍資料に基づき、神戸への爆撃の有様を把握できるようにした。

いつ、どこから、何機の攻撃機が、どのような爆弾を、どれ位の量、投下したのか。当時、被害をうけた神戸市民が、知り得なかった情報である。航跡図の記録からは、マリアナ基地(サイパン、グアム、テニアン島の基地の総称)から、日本本土までまっすぐに伸びたルートの途中に、硫黄島があり、その硫黄島の攻防の時期によって、ルートを変更した様子がうかがえる。

空海救助図に記されたルート途中の海軍艦艇や救援機の哨戒図は、出撃の度に、陸海両軍が協同して、爆撃機の遭難への備えをおこなっていることを示している。爆撃の結果は、想定された爆撃目標地域の被災面積であらわされている。

神戸大空襲の記憶
 こちら(当時神戸三中の学生だった人の記録)

Wikipediaから引用。

神戸大空襲 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 神戸大空襲(こうべだいくうしゅう)とは、第二次世界大戦(大東亜戦争)末期にアメリカ軍が繰り返し行った、神戸市およびその周辺地域に対する戦略爆撃・無差別攻撃の総称である。特に兵庫区や林田区など西神戸に大きな被害を出した1945年(昭和20年)3月17日と、東神戸および阪神間の町村を壊滅させた同年6月5日の爆撃を指して用いられることが多い。

概要  神戸とその周辺地域は1945年(昭和20年)1月3日から終戦までの約8ヶ月間に、大小合わせて128回の空襲を受け、特に3月17日および6月5日の市街地絨毯爆撃と、川西航空機甲南工場を標的とした5月11日の戦略爆撃によって大きな被害を受けた。

 被害状況に関する公式記録は存在せず、具体的な数字ははっきりしていないが、被害面積は神戸周辺都市部の21%に及び、少なくとも8841名の市民が犠牲となり、15万人といわれる負傷者、焼失家屋15万戸、のべ65万人もの人々が家屋に被害を受けたといわれている。これは人口および面積から換算した被害率としては、当時の五大都市の中でも最悪の数字であった。

☆小説「火垂るの墓」を書いた鎌倉生まれの野坂昭如は、六月五日、神戸市灘区中郷町で焼夷弾爆撃を受けた。焼夷弾の直撃を受けた養父の死体は四散してついに見つからなかった。こちら

毎年のエントリーを一部変更。
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| こんなことあんなこと / ほんの前にあったこと / アメリカとの関係 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/679/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

火垂るの墓   
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 映画・舞台・テレビ・音楽 / ほんの前にあったこと |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/683/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

福島原発被災者のある現実、辛い話だが・・
■■■ 日刊IWJガイド 2014.3.16日号 ~No.550号~ ■■■
(2014.3.16 12時00分)

おはようございます。
昨日、実家の福島に帰省したのですが、教員をしている両親から、こんな話を聞きました。

震災後、私の地元である二本松市は、多くの浪江町の避難者の方々を受け入れ、現在も仮設住宅などで生活しています。

原発事故から3年が経過した今も、福島第一原発は収束のめどが立たず、周辺住民の帰還のめども立っていません。

そうした中で、避難してきた新しい土地で、一から新生活を始めなければならない避難者の方々。

かたや、避難には至らなかったものの、事故の影響で日々の生活にあらゆる支障をきたすことになった受け入れ側の方々。

同じ福島県民として、同じ被災者として、平穏に暮らしていけることを願うばかりなのですが、現実はなかなかそううまくはいかないようです。

今、どんなことが問題になっているのか。

例えば、浪江町から避難してきた子どもたちの一部が、非行に走ってしまっているようです。
これには、彼らが受領している賠償金が大きく関係しています。

賠償金の額は、家庭ごとにばらつきがあるようですが、職を追われて避難してきたとはいうものの、避難先で職に就かなくても、生活していくのには十分すぎるほどの額を受領している家庭もあると聞きます。

両親が働かず、平日の昼からギャンブル・お酒に浸り、子どももタクシーで学校の登下校をするなど、異常な事態になっているのだそうです。

これらは一部の例ではありますが、ストレスなどからくるものなのか、お金の使い方が荒くなり、それが子どもたちの日常にも深刻な影響をおよぼしている。

そして、受け入れ側の住民の家庭に育った子どもたちの中にも、非行に走る避難者の子どもたちに影響を受けて、同じように非行に走るケースがあるといいます。

こうした問題は、避難が開始されてしばらく経った頃から、指摘されてきたことではありますが、抜本的な対策は一向に取られることがないまま、放置されてきました。

事故で全てを失い、避難してきた方々は、もちろん補償されなければならないのですが、賠償金を払いさえすれば、全面的に解決できる問題でもありません。

戻れるのか戻れないのか、これからの将来を、どこでどうやって生活していったらいいのか、出口の見えないまま置き去りにされているのが、今の現実です。

震災関連の報道も減っていく中、このような治安の問題は内々に留められて、顕在化することがほとんどありませんでした。

震災から3年がたった今、「被災地を忘れない」といった活動も見られます。
一方で、着々と「何もなかったかのように」原発を推進していこうとする政府。

地元福島の人々の思いは複雑です。

「被災地だから」、「原発事故があったから」と、いつまでも必要以上に騒ぎ立てられては困るが、「何もなかった」と、見放されても困る。

福島で今もなお続いている、あらゆる問題や実情に対し、何ができるわけでもないのですが、私個人として、また、IWJとして、「福島の今」を伝え続けていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、最後に。岩上安身による福島の方々のインタビューシリーズ『百人百話 第2集』が来月、発刊となります。

よろしければぜひ、お読みいただければ幸いです。
百人百話特集ページ
http://100100.iwj-beta.com/

IWJ会員登録 こちら
 
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/682/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

造城の土木技術プロ集団「穴太衆」は生き残っている。神戸新聞から
 画像クリックで拡大して読めます。

画面クリックで拡大。
 「穴太衆」とは。Wikipediaから部分引用。

穴太衆(あのうしゅう)は、日本の近世初期にあたる織豊時代(安土桃山時代)に活躍した、石工の集団。主に寺院や城郭などの石垣施工を行った技術者集団である。石工衆(いしくしゅう)、石垣職人(いしがきしょくにん)とも称す。「穴太」の歴史的仮名遣での読み仮名は「あなふ」である。

穴太衆は、近江の比叡山山麓にある穴太(穴太ノ里[あのうのさと]などとも俗称。現在の滋賀県大津市坂本穴太。延暦寺と日吉大社の門前町・坂本の近郊)の出身で、古墳築造などを行っていた石工の末裔であるという。

寺院の石工を任されていたが、高い技術を買われて、安土城の石垣を施工したことで、織田信長や豊臣秀吉らによって城郭の石垣構築にも携わるようになった。それ以降は江戸時代初頭に到るまでに多くの城の石垣が穴太衆の指揮のもとで作られた。彼らは全国の藩に召し抱えられ、城石垣等を施工するようになったというが、不明な部分も多い。

現代でも、坂本の町に多数立ち並ぶ「里坊(さとぼう)[1]」と呼ばれる延暦寺の末端の寺院群は、彼らの組んだ石垣で囲まれ、町並みに特徴を与えている。
穴太積




穴太積の石垣(近江国滋賀郡坂本[現・滋賀県大津市坂本])
穴太積(あのうづみ、穴太積み)は、野面積(野面積み)を指して昭和初期以降に用いられるようになった俗称であり、穴太衆が手がけた野面積の石垣のことを言う。

しかし、野面積のことを穴太石垣と誤解されることもある[2]。穴太衆は石垣職人であり、したがって、実際は玉石積や切石積も行えた。

後藤家

石垣職人としての後藤家の始まりは、後藤基次が加藤清正からしばしば伝授を受けてきた事により、『城石垣始秘伝抄』の「城取りの石垣の事」においてうかがえる。

しかし、又兵衛は大坂夏の陣において討死にする事となる。夏の陣の前に又兵衛は腹違いの弟である彦八(後の初代後藤杢兵衛)に対し、自分の最後が近づいたのを悟り、これまで学んだ成果を『石垣根元抄』として、元和元年(1615年)4月に伝授する事となる。

この書は、「元和8年(1622年)以来家宝とし、一子相伝の他これを許さずのもの也」として、以後、後藤家最大の財産となる。後藤家が関わった石垣として、加賀藩金沢城がある。

粟田家

現在も穴太の技術を継承しており、株式会社粟田建設として、十三代目から始まり、今は十五代目が活動を行っている。 北垣聡一郎の『近江の石垣築成者 穴太衆』(昭和51年(1976年))によれば、粟田氏の話として、「先祖は阿波国から来た」と語っていたとしている。
 
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 新聞・テレビのネットサイトから / こんなことあんなこと |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/681/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

いっそのこと原発なんか全部爆発しちまえばいいんだ  神戸新聞シリーズから

画面クリックで拡大。
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 東日本大震災・原子力発電所 / 新聞・テレビのネットサイトから |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/680/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

69年前の今日、硫黄島の日本軍守備隊が全滅した。
硫黄島の日本軍全滅
1945年03月17日
栗林忠道中将が率いる硫黄島の守備隊が全滅した。

  毎日新聞のサイトから引用。

硫黄島の海岸に向かう米軍の上陸用舟艇。向こうは摺鉢山
1945年2月19日 硫黄島

1945092
硫黄採掘坑から投降した日本兵
1945年3月7日 硫黄島

 米海兵師団6万1000人は日本本土へ侵攻するための基地確保を目的として1945年2月19日に硫黄島に上陸。

日本軍は補給がうけられないまま、約1カ月間戦い続けたが、全員が玉砕した。

日本軍の戦死者は2万3000人、米軍の死傷者も約2万9000人にのぼった。米軍は2週間後の4月1日、沖縄本島へも上陸した。


2007年01月03日(水)掲載。
映画「硫黄島からの手紙」を観ました

その1

この映画には自分で勝手なある偏見を持っていたので、見ようかどうしようか迷っていた。それはハリウッド映画の商業政策で(柳の木の下の2匹目のドジョウを狙った)日本マーケット向けだけの硫黄島特別バージョンの映画かと思ったからだ。しかし人の映画評や感想などを読んでどうも違うらしいと思って見ることにした。やはり自分が間違いだった。

映画が終わり、クレジットタイトルに“Directed by Clint Eastwood”と出て、ああこれはアメリカ映画だったんだと気がついた。

この映画は、アメリカ本国でアメリカ人の観客に見てもらうためにアメリカ人が作った映画なのだ。そう思い返せば細部にかなりある違和感も当たり前のことだった。

本来であれば映画「SAYURI」がそうだったように、イーストウッド監督は全編を英語で撮りたかったに違いないが、英語を話す日本人の俳優を揃える事が出来なかったので止む無く日本語でのセリフに妥協したのだろう。

画面には「人間の条件」などこれまでの日本映画に描かれてきた帝国軍人像とは随分かけ離れた日本軍の将校や下士官、兵卒が登場した。

しかしそういう違和感はさておいてイーストウッド監督が硫黄島の前作で描こうとした、伝えようとしたことがあることをこの映画でも同じように感じた。

それは、国家というものがいざと言うときには持つ、とてつもない「個人に対する強制力」と、その力を行使する位置にいる人間たちが持つ「限度を越えがちなムゴさ」だと思う。

どちらの国の軍隊の指揮官にも士官にも徴兵された兵卒にも、母が父が妻が子がいる日常の生活があった。

その日常から突如軍隊と戦争に放り込まれた大宮のパン屋の若主人が映画全編の狂言回しだが、彼の役が実質的にこの映画の主役のように思える。

彼は日本兵ではあるが、軍隊の消耗品であることは徴兵されたもう一篇の映画のアメリカの兵卒の描写でも変わらない。

驚いたのは丸腰で投降した日本兵の捕虜を米兵が前線での監視任務に飽きて平然と射殺する場面だ。
これまで捕虜を射殺するような(正義の軍隊である)米軍の兵士を描いたアメリカ映画があっただろうか?

イーストウッド監督の硫黄島映画の製作動機の根底に、現在のアメリカがやっているイラク戦争に対する深い憂慮があると今回も思った。

イラク兵に対する米兵の捕虜虐待事件の頻発は80歳を目前にした世代の、まっとうなアメリカ人の一人であるイーストウッド監督にとっては信じられなく許しがたいことではないのか。

彼と彼の製作陣は米軍のイラク人虐待がアメリカ社会、アメリカ人の荒廃を象徴していると受け止めているのではないか?

前作でも思ったが、彼らが見据えているのは硫黄島の向うにある現代アメリカの政治と産軍一体化とその下で動かされている貧富の差が広がる一方の一般アメリカ国民がいる社会だと思う。

そしてこれまた前回も書いたかも知れぬが「ならずものの最後の拠りどころは愛国心である」ということを思い起こすようイーストウッド監督はこの映画でもアメリカ社会にメッセージを発信しているように思えてしかたがない。


その2

①役者の生理的な好き嫌いと言うのはどうしようもない。「ラストサムライ」の時から渡辺謙と言う俳優の英語を喋る時の卑屈なジャパーニーズスマイルが嫌だった。今回もアメリカでの駐在武官当時のパーティで同じことを感じた。それになんでこんな大げさな演技が必要なのだと思う。

②いくらアメリカ映画とはいえ、日本の陸軍の兵隊が鉄砲のことを「ライフル」と言うのは止めて欲しかった。敵性用語の英語は娑婆(シャバ)でも使われない時代に軍隊で使われるわけはない。画面からライフルと聞こえるたびに白々しくなってしかたがなかった。

それにしても明治時代の日清日露戦争当時の制式銃であった三八式歩兵銃で昭和20年に米兵のカービン銃と戦わされた日本兵は不憫と言うか哀れすぎる。日本と言う国は1兵卒のイノチが昔からただみたいに安い国だったと思い知る。

③言葉といえばパン屋の二等兵の日本語は昭和20年の軍隊の日本語ではなく、平成18年の関東の若者の言葉だ。

原作は硫黄島守備隊長の栗林中将が家族に書き送った絵手紙を元に、日系アメリカ人であるアイリス・ヤマシタが脚本を書いた。戦時体制下の当時の日本人と日本の社会と軍隊の内部のことをここまで良く調べて書いているナと思う。それを考えると良く出来たホンであり、上に書いたことは致命的なことではなく俳優が感情移入して演ずるにはむしろ良かったのかもしれない。

しかしこのような瑕があちこちにあり、この映画には「父親たちの星条旗」ほどにはのめりこめなかった。

④そして日本映画が取り上げなかった栗林中将をはじめとする硫黄島での日本軍の将兵の明日の無い戦いを描いてもらって素直に嬉しくおもった。視聴覚で訴える映画と言うメデイアのパワーは凄い。

⑤また不謹慎ながら、「椿三十郎の強さは敵役の室戸軍兵衛があって始めて際立つ」ったものだ。硫黄島で勇敢に戦い多くの犠牲を出したアメリカ海兵隊の強さと国家に対する貢献を示すには、弱くて卑怯な日本軍ではなく「強くて勇敢だった日本軍がいなければいけない」という思いも頭のどこかをよぎったことも事実だ。

⑥そして栗林中将はアメリカとカナダの駐在武官経験があり、男爵家出身の西騎兵大佐(バロン・ニシ)はロスのオリンピックの馬術競技の金メダリスト。二人ながらにアメリカ人との個人的交友があったことも、なんらかのかたちでこの映画がこういうように取り上げられたことに影響しているのかも知れないと思う。

国家間の紛争解決に戦争と言う手段を使うのは最後の最後、下の下と中国の賢人は昔から言っている。本来各階層を通じた個人の交流をベースにした外交交渉で解決するのがあるべき姿だと。栗林と西は当時そういう意味で日本国家のために大いに貢献し、外交戦から実戦に突入せざるを得なくなった段階でもまた自分の任務を全うし、先頭に立って死についた。

☆見に行ったのが暮の29日だから、そう人はいないだろうとタカをくくって行った。

開演10分前に三ノ宮駅前の、今年震災以来11年ぶりに新設なったミントビル(旧神戸新聞会館)のシネマコンプレックスへ行ったら、エレベータホールから人で満員だった。ようやくチケットフロアーに出たら見渡す限り人、人で切符を買うだけでも30分はかかりそうだった。

国際会館の国際松竹でも上映しているのをネットで調べてあったので地下街を10分ほど歩いて移動した。駅から少し離れているだけで人の数も適度の混雑で切符もすぐ買えた。

それにしても年金族もヤングカップルも沢山の人が映画館に足を運んでいるのを見るのは嬉しい。
2014年3月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / ほんの前にあったこと |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/685/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

2014年03月16日(日)
映画「大統領の執事の涙」を観ました。
いつものように映画評を読まず、ほとんど事前知識なしで映画館の席に座った。
 1)ホワイトハウスに沢山の黒人の執事やコックやメイドが働いているとは知らなかった。彼らは20年ほど前まで白人の使用人と同じ仕事をしていても給料は40%安く、管理職への道は閉ざされていた。

映画の主人公は昭和初年の南部の綿花農場で、母を乱暴した農場主に立ち向かおうとしてその場で射殺された父とそのために精神に異常をきたした母を持つ少年だった。

その農場を脱出して北部に移動し、職を転々としながら彼は巡り合わせと運と対人能力でついにホワイトハウスの執事になった。
この映画は彼と彼の妻、そして彼らの二人の息子の物語である。

2)これは猛烈なメッセージ映画とも見ることが出来る。

黒人がアメリカ人としての権利を勝ち取るための公民権運動の長い長い辛苦の闘いの軌跡を描いた映画とも見える。

人種差別の想像を越える激烈さ、その中を生き抜いた強い男の物語とも思える。

アメリカのベトナム戦争や七代もの大統領の人となりを描くアメリカ現代史の映画でもある。

私は思った。こんなテーマを商業映画として制作するアメリカと言う国が持っている強靭な厚みと深さ。

こんな映画をロードショーから全米の映画館で配給して、見に来る観客がいると読むプロデユーサー。当然ペイすると信じなければ、映画資本は映画を作らない。

事実に触発(inspired)されて出来たシナリオとある。
儲けだけを考えてこの映画を作ったわけではなさそうだ。

3)映画と言うメディア。プロパガンダの道具として人類が手にしている現代の最高の手段だということも見た後思った。

視覚、聴覚をフル活動させ、脚本、俳優、演技、笑い、涙・・
映画を見ることも、新聞を読むことも、テレビを見ることも、本を読むことも、他者から情報操作を受け、マインドコントロールをされ、洗脳されているという事ではあるが、人類は情報の種類は違っても、何百万年ものあいだ、外部からの情報を自分なりに情報処理をして、生きぬく人間は生きてきた。

ある意味、人間が生きるという事はそれぞれの自分なりの情報処理の連続ともいえる。

4)映画を見る楽しみはハラハラドキドキの展開があるかどうかにつきるが、この映画もしっかりその喜びをもらえた。

そしてエンドロールでジェーン・フォンダの名前が出てきて、どこにいたんだと驚いた。

そのあとの配役を見てびっくりした。彼女はほんまの役者やなぁと感嘆した。

キャロライン・ケネデイさん役も小さな少女で登場する。その彼女はいまや駐日大使で日本にいる。

そして私の好きな映画「夜の熱気の中で」と、主役のシドニー・ポワチエを公民権運動をしている長男が「あの映画は白人好みの黒人を描いただけだし、ポワチエは黒人の皮をかぶっているけど身体の中は白人だ」とけなす場面があった。まこと人の評価は時代と立ち位置で違ってくる。

自分が生きてきた時代と、この大統領の執事がホワイトハウスで過ごした時代はかなり重なる。そういう意味でアメリカ映画なのに、登場人物たちにある種の感情移入が出来る面白い映画だった。

お勧めします。

追記:原題は「執事」日本の題名は「大統領の執事の涙」。
せめて「大統領の執事」で止められなかったのか。

日本人がつけたこの題名は、日本人が幼児化していることを自ら認めているような気がして気に入らない。
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| 映画・舞台・テレビ・音楽 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/667/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

映画「大統領の執事の涙」予告篇


映画の公式HP
 
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 映画・舞台・テレビ・音楽 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/668/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

ルポ漫画「いちえふ―福島第一原子力発電所労働記―」
「いちえふ」原発作業員が描いたルポ漫画、第1話が無料で読める 英語版もFacebookに掲載
The Huffington Post | 2014年03月12日 10時43分 JST

東日本大震災から3年。3月11日、漫画家の竜田一人(たつた・かずと)さんが描いたルポ漫画「いちえふ―福島第一原子力発電所労働記―」の第1話が、講談社のサイト「モアイ」上で公開された。会員登録などは不要で、誰でも無料で読むことができる。

震災後に福島第一原発の作業員として働いた経験を描いた作品は、2012年10月に「モーニング」で読み切りが掲載されると、国内外から大きな反響を呼んだ。現在「いちえふ」は不定期連載されており、4月23日に単行本が発売される予定。

「いちえふ」は海外からの取材も相次いでいる。担当編集者によれば、ドイツ公共放送連盟(ARD)、スイス放送協会(TSR)、イタリア国営放送(RAI)など、ヨーロッパのメディアを中心に高い関心が寄せられたという。

海外からの注目を受けて、「モーニング」で掲載された読み切りの英語翻訳版もFacebookで掲載された。

引用元
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/669/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

中堅、若手が大量に辞めていく東電。大きな問題だと思う。
東電、新卒採用を700人に倍増へ 2015年度、人材流出相次ぎ
The Huffington Post 2014年03月12日 17時40分 JST

東京電力は3月12日、2015年4月入社の新卒採用数を700人とする計画を発表した。採用数は14年度の約2倍とする計画だという。47NEWSなどが報じた。

東京電力は12日、2015年度の新卒採用を14年度実績(372人)の約2倍の700人とする計画を発表した。福島第1原発事故後、人材流出が続いており、業務運営に支障が出ないよう本格採用を再開する。このほか50人の中途採用を実施し、計750人を確保する。

(47NEWS「東電、15年度新卒採用700人 14年度の倍、福島枠70人」より 2014/03/12 15:17)
経済復興と雇用確保に貢献するため、福島県から70人程度を採用するという。

福島の経済復興と雇用確保に貢献するため、全体の採用数750人のうち70人程度を福島の大学、高専、高校などから採用する。

(MSN産経ニュース「東電、15年4月新卒採用は700人 前年度比倍増」より 2014/03/12 15:19)

原発事故後、東京電力では人材流出が深刻化している。この3年間の自主退職者数は、20~30歳代を中心に約1500人に上っている

会社での希望が見えず、辞めていく社員が後を絶たない。事故前に年100人程度だった自主退職者数は、平成23年度465人、24年度712人、25年度は4月から12月末までに315人。

深刻なのは、その7割が20~30代の若手で、4割が経営幹部候補や原子力技術者などの中核社員であることだ。

(MSN産経ニュース「年収140万円減 東京電力、人材流出やまず 再建、廃炉…険しい道のり」より 2014/03/11 02:46)
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/670/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

大阪府警の捜査は防犯カメラだけが頼り 現場に出ない警官たち
誤認逮捕の男性が国賠訴訟――失態続きの大阪府警

2014 年 3 月 12 日 5:41 PM |

 ガソリンカードを盗んだなどの窃盗容疑で大阪府警北堺署に誤認逮捕され、85日間も勾留された会社員の男性(42歳)が2月18日、大阪府と国に対し「違法な逮捕と起訴で長期間拘束されて精神的な苦痛を負った」と、慰謝料など計1180万円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

 昨年1月、堺市内の駐車場の車から給油カード2枚が盗まれ、4月になって男性が窃盗容疑で逮捕された。そのカードで給油したと5月に再逮捕され、大阪地検堺支部が起訴。

同署は近くの防犯カメラに男性が写っていた映像を決め手としたが、男性の弁護人を務める赤堀順一郎弁護士の調べで犯行時間帯に男性が高速道路を通過したETC記録によってアリバイが成立。

地検も再捜査でこれを認め起訴を取り消し、男性を7月に釈放、大阪地裁も公訴を取り消した。

 後に防犯カメラの時計が狂っていたことが判明したが、同署はそれも調べていなかった。さらに、義務付けられている画像押収を怠ったため映像は消去されてしまった。

訴状によると、取り調べた刑事は「あなたは子どもさんを叱れますか。その汚れた手で子どもの頭を撫でられるのか?」などと男性の尊厳を傷つける言動で自白を迫り、地検堺支部も捜査の不備を指摘せず漫然と起訴をした

 赤堀弁護士は「スリや痴漢の現行犯逮捕ではなく令状請求の必要な通常逮捕ですよ。事件発生から最初の逮捕まで3カ月もかけて一体警察は何をしていたのか。ガソリンスタンドのレシートすら調べていない呆れる杜撰さです」と怒る。

窃盗事件そのものは未解決のままだ。足を使わず防犯カメラばかりに頼る最近の犯罪捜査の怠慢ぶりが露呈した格好だ。

 大阪府警と地検は男性に謝罪したが「違法行為はない」として内部処分は一切なし。大阪府警はここ半年ほどで7件も誤認逮捕をするというとんでもない失態を続けている。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2月28日号)

引用元
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 可視化・裁判所・検察・警察 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/671/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

映画「100,000年後の安全」

こちら

画面が出るまで少し時間がかかります。

内容紹介:

 毎日、世界中のいたるところで原子力発電所から出される大量の高レベル放射性廃棄物が暫定的な集積所に蓄えられている。その集積所は自然災害、人災、および社会的変化の影響を受けやすいため、地層処分という方法が発案された。

 フィンランドのオルキルオトでは世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の建設が決定し、固い岩を削って作られる地下都市のようなその巨大システムは、10万年間保持されるように設計されるという。

 廃棄物が一定量に達すると施設は封鎖され、二度と開けられることはない。しかし、誰がそれを保障できるだろうか。10万年後、そこに暮らす人々に、危険性を確実に警告できる方法はあるだろうか。彼らはそれを私たちの時代の遺跡や墓、宝物が隠されている場所だと思うかもしれない。そもそも、未来の彼らは私たちの言語や記号を理解するのだろうか。

圧倒的な映像美!コンセプチュアル・アーティスト、マイケル・マドセン監督作品。

 コンセプチュアル・アーティストとしても活動する監督のマイケル・マドセン自らが、既に建設が進行中の施設に潜入し、このプロジェクトの実行を決定した専門家たちに、未来の子孫の安全性について問いかける。

 圧倒的な映像美はまるでSF映画のように、荒廃し人類が去った後の地球、機械だけが永遠に動き続ける地球の姿を映しているようだ。
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/672/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

電力会社と経産省に騙されてはいけない。  河野太郎
ボッタクリをなくせ!
2014年03月13日 19:25

2013年11月6日に「経産省によるボッタクリ」というタイトルで、「経産省による回避可能費用は不当に安く計算され、消費者が負担する再エネ賦課金が巨額になっている。」というブログを書いた。
http://www.taro.org/2013/11/post-1418.php

固定価格買い取り制度の対象になる再生可能エネルギーは、電力会社が買い取らねばならない。

しかし、買い取った電力の分、電力会社は自前の発電をしなくても済むため、電力会社は費用を一部削減することができる。

この電力会社が削減できた分を回避可能費用と呼び、電力会社の買い取り費用からこの回避可能費用を引いた金額が、消費者が負担する再生可能エネルギー賦課金になる。

再生可能エネルギー賦課金=再エネ買取費用+事務経費-回避可能費用

そのため、回避可能費用の計算はとても大事で、これが不当に低く計算されると、消費者が負担する再生可能エネルギー賦課金が必要以上に高くなる。

しかし、これまでは水力や原子力のような発電単価の低い電源を含めた全電源の平均費用を回避可能費用としていた。

しかし、本来、電力会社はコストの高い電源から止めるべきであり、この回避可能費用の算出はおかしい。

その結果、回避可能費用が少なくなり、消費者の負担が過大になっているというのがそのブログの要旨である。

それに対して「この論旨の一部は、全くの間違いであり、「ボッタクリ」という表現は適切ではない。」という反論が出された。

「回避可能費用は電力事業者にとってみれば電気の仕入れ価格であり、計算方法を変更して回避可能費用が上がることは、電気料金の原価上昇を意味する。総括原価主義のもとであろうが、自由化されようが、原価が上昇すれば電気料金上昇につながる。」

この反論はおかしい。

再生可能エネルギーを買い取ることによって電力会社が支出を免れたコストが回避可能費用であり、それが電力料金に影響を与える、与えないにかかわらず、その算定を適正にするのは当たり前のことではないか。

さらにもう一度、『 』に気を付けて、この反論を読んでみてほしい。

「しかし、回避可能費用は電力事業者にとってみれば電気の仕入れ価格であり、計算方法を変更して回避可能費用が上がることは、電気料金の原価上昇を意味する。『総括原価主義のもとであろうが、自由化されようが』、原価が上昇すれば電気料金上昇につながる。」

総括原価主義のもとでは、原価が上がれば電気料金は上がる。

つまり、回避可能費用が上がって再エネ賦課金が下がれば、電力会社の電力購入費用が増え、電力購入費用は「原価」だから総括原価がその分増えて、電力料金が高くなる。

だから消費者は、再エネ賦課金が下がった分、電力料金で負担しなければならないから、同じことだと言いたいのだろう。

しかし、電力料金が自由化されれば、そうはいかない。回避可能費用が上がり、再エネ賦課金が下がったからといって、電力会社は電気料金を高くすることができるだろうか。

例えばトヨタが、原価が上がったから当然に自動車の販売価格が上がります、というだろうか。


モノの値段が市場価格で決まっているマーケットでは、原価が上昇したからといって、当然には価格は上がらない。電力会社は、まず、水膨れしたコストを削らなくてはならない。

総括原価主義のもとでは、原価が上がれば電気料金は上がるが、「自由化されようが原価が上昇すれば電気料金上昇につながる」ことはない。

電力市場の自由化はプログラムに沿って着々と進む。総括原価で電力料金が決められた時代はもうそろそろ終わる。

だから今、きちんと回避可能費用を計算しておかないと、自由化されても再エネ賦課金が不当に高くなってしまう。

日本には、余った電力を取引する卸電力市場というものがある。電力会社が電力を調達することが必要になった場合、この卸電力市場で調達することができる。

だからこの卸電力市場での取引価格を回避可能費用にすればよいのではないかという提案もしている。

例えば、現在、新電力の回避可能費用はこれまでの電力会社の回避可能費用の平均とされている。

この費用が極端に安くなっているため、新電力は再生エネルギーを回避可能費用相当額で購入し、それをそのまま卸電力市場で売却してサヤを抜いて儲けるということができてしまう。

これを見ても回避可能費用が安すぎるのがわかる。

回避可能費用は、少なくとも卸電力価格であるべきだ。

この提案にも反論がでた。

「卸電力価格を使うという提案は...合理性が高い。しかし、日本の卸市場は小売販売電力量の0.5%しかなく、FITの買取発電量と比べても1/3程度しか無い。これを回避可能費用の参照価格とするのは時期尚早であるように思える。」

我が国の電力の卸市場が小さいのは、東京電力をはじめとする電力会社の嫌がらせによるところが少なくない。

例えば、3.11直後に東京電力が、東電管内の送電網を卸電力市場で取引された電力に対してクローズしたのは記憶に新しい。

東京電力は、計画停電をやらねばならないほど供給が逼迫していると言いながら、供給余力のある企業に対して送電網へのアクセスを拒否するという暴挙にでたのだ。


現状のように、卸電力市場で電力を調達するよりも、回避可能費用で再生可能エネルギーを買ったほうが安いという状況では、ますます卸電力市場は利用されなくなる。

電力改革には卸電力市場の更なる整備が不可欠なのに、これまでのような安い回避可能費用は市場をゆがめる。

この反論でも卸電力市場が一定の大きさになれば卸電力価格を回避可能費用にできるといっているようだから、卸電力市場をみんなで育てていかなければならない。

すでに経産省は回避可能費用がおかしかったことを認め、修正に入っている。

「こうした検証を経ずに「ボッタクリ」といった刺激的な言葉を使うことは決して生産的ではない。また、この議論に時間を費やすよりは、いかに再エネを合理的に拡大していくか、普及策としてFITがふさわしいのかについて改めて議論を行うほうが建設的ではないだろうか。」とこの反論は言う。

しかし、回避可能費用をきちんと計算すれば、再エネ賦課金は下がる。

そして電力市場が自由化されれば、総括原価も廃止され、電力会社は電力購入費を単純に総括原価に加えて消費者からとることができなくなる。

おかしな回避可能費用を定めて、再エネ賦課金を人為的に高く設定したのは『ボッタクリ』以外のなにものでもない。

電力会社と経産省に騙されてはいけない。

引用元
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/673/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

アメリカでも原発廃止デモ。各地で。
原発廃止訴え 米各地でデモ
3月12日 9時39分  NHKNEWSweb

東日本大震災から3年になる11日、アメリカ各地で原発の廃止を訴えるデモが行われました。

このうちニューヨークでは、日本総領事館の前に、原発に反対する日本人やアメリカ人などおよそ60人が集まり、日本政府に対して、国内のすべての原発を廃止することや原発技術の輸出を禁止することなどを求める要望書を提出しました。

続いて、マンハッタンの中心部のタイムズスクエアまで原発の廃止を訴えて行進しました。

デモを呼びかけた団体によりますと、11日はアメリカ各地の少なくとも17か所で反原発を訴える集会が開かれているということです。

ニューヨークには、中心部からおよそ50キロ離れた場所にインディアン・ポイント原発があり、デモに参加したアメリカ人の男性は「日本での事故はわれわれにとってひと事ではない。

すべての原発は廃止されるべきだ」と話していました。

また、日本人の50代の女性は「福島県の現状を見て原発は要らないと強く思った。ニューヨークから世界にその思いを伝えたいと思って参加した」と話していました。

アメリカは100基の原発が稼働し、国内の電力のおよそ20パーセントを占める世界最大の原発大国で、今後も原子力を重要な電源として維持していく方針を示しています。
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 東日本大震災・原子力発電所 / 新聞・テレビのネットサイトから |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/674/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

2種免許を持っている運転手が減っている。 引く手あまたの時代へ
引っ越し作業は割増料金も!需要急増で

見えてきた「ドライバー不足」という構造問題 (ビジネス編第10回)

消費増税による駆け込み需要の増加でいま、物流業界ではトラック不足という深刻な問題に直面している。

メーカーなど一部の荷主企業では、出荷量の増加に車両の手当てが間に合わない状況が続いている。さらに、引越しの繁忙期が重なることで需給関係が崩れ、トラックをチャーターするスポット運賃は急上昇を続けている。

貨物量の急激な増加によって表面化した格好だが、実はこうしたトラック不足の背景にはドライバー不足という構造的な問題が指摘されており、今後「経済の大動脈」である物流活動に大きな打撃を与えることが懸念されている。(カーゴニュース社長・編集局長 西村旦)

2月の需要は前年同月比8割増
トラック確保に困る荷主企業


 あるOA機器メーカーの物流担当者は「運賃を5割増しにしても車両が確保できない」と危機感を募らせる。この会社は東京、神奈川、千葉といった関東の主要エリアで通常200台のトラックを運行しているが、駆け込み需要が見込まれる3月末には5割増の約300台が必要になると予測。

だが、トラックを確保できるめどが立っておらず、「納品スケジュールを分散化するなどして対応するしかない」と打ち明ける。

 業種によって濃淡はあるものの、同様の困難に頭を悩ませている荷主企業は少なくない。

 全日本トラック協会などが運営する求荷求車システム「WebKIT」では、荷主などが運んでほしい荷物を登録する件数(求車情報)の2月実績が前年同月比約82%と大幅に増加。これに対し、運送事業者が荷物を求める件数(求荷情報)は約11%減で、極端な需給ギャップが顕在化している。

こうした車両不足の状況を反映してスポット運賃水準も上昇しており、「WebKIT」の成約運賃をもとにした2月の運賃指数は115(2010年4月時点を「100」とした指数)となり、前年同月比で9ポイントのアップとなった。こうした傾向は3月に入ってさらに拍車がかかっているという。

続きはこちら
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / こんなことあんなこと |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/675/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

孫崎享・飯田哲也 対談は今現在の状況をクリアーに浮かび上がらせる
2014/03/08 「小規模発電は、現代の自由民権運動だ」 ~孫崎享・飯田哲也 対談「原発と安全保障を語る-都知事選を終えて-」

安倍政権の最大の目的は長期政権維持

 はじめに、飯田氏が登壇。「政府の新エネルギー基本計画は、3月中に閣議決定する予定だ。安倍首相の政務秘書官は、前資源エネルギー庁次長の今井尚哉氏で、経団連会長を務めた新日鉄元会長、今井敬氏の甥。経団連との太いパイプだ。事務秘書官には、元原子力政策課長の柳瀬唯夫氏で、官邸と経産省とは表裏一体」と話した。

 「安倍政権の最大の目的は、長期政権を続けること。そのために(原発の再稼働にも)悪辣巧妙な方法を考えている。まず、新エネ基本計画で、原子力は重要なベース電源と提示。次に、原子力規制委員会の認可。最後に、地元の同意。この3条件が整ったら、政府の指示ではなく、電力会社が原発を再稼働する、という形をとる。民主党の野田政権が、大飯原発の再稼働を4閣僚の独断で決めて、国民の反感を招いたような失敗は繰り返さない」と分析した。

旧日本軍と変わらない原子力村

 そして、新エネルギー基本計画の問題点を挙げ、「全体的に、福島の原発事故がなかったかのような印象だ。また、原発停止による電力会社の経営危機は考慮せず、抽象論で原発の必要性を訴える。さらに、民主党政権での、国民参加の熟議プロセスなどはまったく無視。中でも最大の問題は、神話の復活だ」と述べた。

 飯田氏は、「行き詰まる原子力バックエンド」として、核燃料サイクルの破綻、核廃棄物の処理問題を説明。「日本の原発の基本設計は、米GEかウエスティングハウスで、東芝、日立、三菱重工などは、単に製造設計しているだけ。いわば、下請けだ。アメリカの関係者は、すでに原発による儲けを見限っているが、原子力村の人たちが、アメリカの影を利用して、圧力をかけているのではないか」などと、原発産業の背景を明かした。

 飯田氏は「原子力村、という造語は自分が作った」と言い、10年ほど政府のエネルギー政策に関わった経験から、原子力村の体質を「旧日本軍と同じ。誰も責任をとらない。事実を無視し、神話が横行。タテマエ優先で、破壊的な意思決定をする。外に対しては権威主義、内輪ではまったく責任放棄」と批判した。

自然エネルギー推進は、現代の自由民権運動

 飯田氏は、自分も政策に関わった、電力(固定価格)買い取り制度の成立までの道のりを例に挙げて、「10年単位での転換がある。今、原発などを支持する旧体制と、自然エネルギーなどイノベイティブ産業のせめぎ合いの中で、経済がどちら側につくかで、大きく流れは変わる」とした。

 「現在、世界全体では、自然エネルギーへの投資額は25兆円。これは、原子力、石油、石炭、天然ガス全体より多い。日本のお偉いさんたちは、これをわかっていない」。

 さらに、「ヨーロッパでは、すでに大規模集中型発電から、小規模分散型へのレジームチェンジ(体制組み替え)が起き始めている」と言い、福島の会津電力など、地域で小規模発電が始まっている地方の動向を紹介。「これは、現代の自由民権運動だ」と語り、地方の変化に期待した。

今、日本ではすごいことが……

 次に、孫崎享氏がマイクを握り、開口一番、「今、日本は一番、重大な局面にある。いろいろな問題の中でも、原発再稼働の是非がもっとも重要だ。これを止める唯一のチャンスが、先日の東京都知事選挙だった。あれは失敗だ」と無念さを滲ませた。

 「舛添氏の得票数は、ほとんどすべての区で、猪瀬前知事の得票数の0.48倍なのだ。……日本では、すごいことが起きている」と意味深長に話し、「こんなことがあるにもかかわらず、世間は、この変化に気づいていない。むしろ、人々は意識的に見ようとしない。TPPも、原発事故も、少しでも調べれば、すぐにそれらの危険がわかるはずだ。でも、それを認めてしまうと、メインストリームから弾かれてしまう恐怖心で、見ないようにしているのではないか。これが一番大きな問題だ」と指摘した。

活断層だけで、地震への考慮がない再稼働審査
 そして、話題を変え、2005年2月23日の、衆議院予算委員会での石橋克彦神戸大名誉教授の発言を取り上げた。「石橋氏は『アメリカでは、原発にとって、地震が一番恐ろしい外的要因とされている。多重防護システムも働かなくなり、炉心溶解などにつながりかねない』と、2005年に指摘している」。

 「ところが、今、再稼働に向けて、焦点を活断層の有無だけに絞り、地震への考慮がまったくない。福島第一原発事故は、活断層の地震で発災したのではない。今年2月25日、ニューヨーク・タイムズが論評で、『日本は休眠中の原発の再稼働に急いでいる。世論は、まだ段階的原発排除だが、安倍首相は、このような中で再稼働しようとしている』と書いた。舛添氏も、都知事選では『原発は長期的には廃止する』と言ったが、裏を返せば、その前に再稼働すると言う意味。みんな、これに気づけるはずなのに、気づかないふりだ」。

日本の報道の自由度、世界第59位


 また、「原発事故以来、マスコミ報道を見ていると、日本に民主主義は、もうないのかもしれないと思う。国境なき記者団の評価は、日本の報道の自由度は世界第59位。韓国より低い。

。2011年3月12日、福島第一原発の水素爆発の時、大手メディアは自社の記者を避難させた。しかし、それを一切報じず、『ただちに危険はない』とした。真実を伝えるという使命を捨てた」と、メディアの姿勢を批判した。

 孫崎氏は、東京都知事選の際、原発が争点になることを、マスコミが避けていた、とも指摘。「1月30日、NHK(ラジオ第1放送)の番組に出演する中北徹氏(東洋大教授)に、原発関連の発言を禁じた。それに憤慨した中北教授は、20年間続けていた、その番組を降板した」と、中北氏の行動を讃えた。その上で、「そういう決断をさせる、日本の報道機関になってきている」と懸念を示した。

 さらに、映画『少年H』のキャッチコピーにある、「おかしいことを、おかしいと言えない時代」や、「世界がギシギシ音を立てて変化している時代に、 今までと同じファンタジーを作り続けるのは、もはや無理がある」という、宮崎駿監督の引退宣言に言及。また、原発再稼働に厳しい姿勢を見せている泉田新潟県知事が、IWJの岩上安身のインタビューで発した、「もし、僕が自殺ということになったら、絶対に違うので調べてほしい」という言葉を紹介し、「こんな国になってしまった」と嘆いた。

 最後に、原発再稼働に向かう流れについて、「原発立地の住民の決断が、再稼働の阻止、延期ができる力をもっている。今は、もっとも危険といわれる浜岡原発でさえも、再稼働申請中だ。しかし、官邸、経産省、経済界より、私は住民の力が上回ると思っている」と希望を込めた言葉で講演を終えた。

小泉元総理は本当に「脱原発」?

 休憩後、「原発」都民投票の会の城間貴之氏がコーディネーターを務めて、孫崎氏と飯田氏の対談が始まった。城間氏は「2012年秋、民主党政権では『原発ゼロ』の方針をまとめたが、閣議決定できなかった背景は何か。また、小泉元総理は、本当に脱原発派なのか」と訊ねた。

 飯田氏は「小泉氏はおおざっぱで、(首相在任)当時、彼はまったく原発について知らなかった。今、脱原発というのは、本当だと思う」と答え、「また、六ヶ所村核燃サイクル計画には、小泉氏は関与していなかった。その頃、核燃料サイクルはトラブル続きで、経産省も東電も中止にしたかったのだが、当時の原子力政策課長、安井正也氏(現・原子力規制庁長官官房)が強引に推し進めた」と、核燃サイクル推進の裏を語った。

 また、民主党の脱原発政策については、「閣議決定しなかったのではなく、あいまいに添付書類で合意した。なぜかというと、核燃サイクルを進めたい青森県と日本原燃が暗躍し、民主党を脅したのだ。それで、『原発ゼロと言いつつ、核燃サイクルは進める』というナンセンスなことになった」と断じた。

 さらに、「当時、民主党5閣僚(仙石由人氏、枝野幸男氏、細野豪志氏、野田佳彦氏、藤村修氏)で、一番悪質だったのは仙石由人元副代表だ。細野豪志氏は、不倫事件で電力会社に助けられた経緯があり、実はずっと原発推進派。そういう力学の中で、頑張っていたのは古川元久衆議院議員だが、核燃料サイクルは続くことになり、残念だった」と生々しい実態を語った。

次の小説は『アメリカにつぶされる安倍政権』

 日本の原子力政策への、アメリカの関与について問われた孫崎氏は、「アメリカ内でも原発推進勢力はあるが、日本政府をコントロールしているわけではない」とし、日米関係の問題を批判する場合に留意すべき点として、「何か言うと、すぐに『それは陰謀論』と揶揄され、一番大事なところも一緒にうやむやにされる。だから、自分が確証のあることだけで議論すること」と述べて、アメリカ同時多発テロ事件(9.11)を巡る言説を例に挙げた。

 続いて、「私は、次に『アメリカにつぶされる安倍政権』という本を書こうと思う」と会場の笑いを誘い、「今の日本は、安倍政権のせいで、かなりアメリカの信頼を失くした。この前、アメリカが『プルトニウムを返せ』と言ってきたのは、そのためだ」と話した。

 孫崎氏は「日本に民主主義が残っているのは、沖縄だけ」と述べて、国民投票の可能性と、元スイス大使の村田光平氏の活動について説明した。また、「自分は(左派、保守など)どこに行っても『あなたは、あっち側の人間』と言われるが、これからは、あっち側(異なる立場)の人間も巻き込んで、運動を盛り上げるべき」と冗談を交えながら話した。

東京電力はゾンビだ

 質疑応答に移り、核のゴミや汚染水問題について、質問が出た。飯田氏は「(処理を)やるしかないのだが、そういう体制になっていないことが問題。東京電力はゾンビだ。本当は死んでいるのに、生きているふりをさせられている。(融資を受けるため)常に、見かけ上は収益を黒字にしなければいけない。構造的に、解決体制ができてないのだ。福島第一原発は、チェルノブイリのように石棺にするしかないだろう」と答えた。

 また、山口県知事選に出なかった理由を訊かれると、飯田氏は、山口県のすさまじい選挙戦の実態を語った上で、「知事になっても動きを封じられる。それより、10年後に必ず大きな勢力になる自然エネルギーを選んだ方が、自分の力を発揮できると思った」と、その理由を明かした。

 最後に、孫崎氏は「戦後、日本に民主主義が生まれたかのように言われるが、それはまやかしだった。自分たちで勝ち取ったものではないから、今、ボロボロになっている」と述べ、「しかし、一人ひとりが、できる範囲で、民主主義を育てる行動はとれるはずだ」と締めくくった。【IWJテキストスタッフ・関根/奥松】 

引用元

2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / 東日本大震災・原子力発電所 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/676/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

アメリカが見る自民党の右傾化。そのことに宗主国が動き出した?
自民党の右傾化と、日米同盟のこれから
トビアス・ハリス氏が語る安倍政権(下)
ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク) 2014年03月06日

安倍政権の高支持率が続いている。しかし、経済、外交、防衛など難問は山積している。現在の高い支持率は、確固たるものなのか、それとも、容易に崩壊しうるものなのか。今後の安倍政権について、テネコ・インテリジェンス(ニューヨークに本拠を置く企業顧問会社・テネコ傘下のリスク評価部門)で日本専門家を務める、トビアス・ハリス氏に聞いた。

※前編はこちら:安倍政権の高支持率は、バブルか、本物か?

歴史問題と自民党の右傾化

――経済政策をめぐって民主党は自民党とよく似通っていますが。

野田佳彦前首相と安倍首相の政策の違いは金融政策、つまりアベノミクスの「第1の矢」だ。民主党は極端な金融緩和政策を採らなかった。しかし、成長戦略はよく似ている。

民主党と自民党の成長戦略を重ね合わせると、ほとんど違いがわからない。二大政党制を支持するに足るだけの中道左派の投票数が十分でないというのは信じがたいことだ。ところが、それが日本の現在の政治状況なのだ。

――なぜ歴史問題が両党の分割線にならないのですか? 数年前には、最近のNHK幹部による発言は即時退職の原因になったはずですが。

あの発言は本当にショックだったが、NHKは内閣ではない。閣僚がああいう発言をしたらもっと論争になっただろう。橋下徹前大阪市長の慰安婦をめぐる発言も一時大きく問題になったが、その後、しぼんでしまった。

また昨年、安倍首相は歴史学者を演じて、日本の“侵略”というのは定まった定義ではないと発言したが、早々と撤回せざるをえなくなった。言い換えれば、依然として“修正主義者”の歴史に対して後ずさりしている。

他方で、その問題が日本の大衆にも共感を呼んでいるとは思えない。人々は経済に対する関心が圧倒的で、世論調査が示しているように、日本の人たちに歴史問題について問えば、戦時中のことについて、かなり複雑で悲しみに満ちた感情を抱いていることがわかる。

現在、安倍首相は高い支持率で政権に収まっているが、その支持率は首相の歴史問題をめぐる右翼的な見解とはほとんど関係がない。たまたま彼にふさわしい時にふさわしい地位につき、魅力的な経済政策を採用している。

彼の右翼的な見解は、彼が政権に返り咲いた基盤になっているわけではない。にもかかわらず、そういう見解が彼の政治的な雰囲気になっている。日本の大衆が歴史の修正主義的な見解を、暗黙的にも認めているとも思えない。

続きはこちら
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / アメリカとの関係 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/677/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

安倍首相が退場しても日本の右傾化は続く
中野晃一先生の安倍政権論    内田 樹

Australian national university の出しているAustralia and Japan in the region という英字媒体の3月号に上智大学の中野晃一先生が寄稿している。原文が英語なので、例によって訳文を付す。

中野先生の状況解釈のすべてに私は同意するわけではないが、今日本で起きていることが安倍晋三という人政治的個性に帰しうるような属人的な出来事ではなく、長期的な政治過程そのものの変化のうちの現象であるという意見には深く同意する。

(訳文はここから)

2012年12月に安倍晋三の自民党が政権に復帰して以後、日本が右傾化しているからどうかについては活発な議論が展開されている。ある人々は、安部の側近を含めて、彼はアベノミクスの三本の矢の追求だけに目的を限定しているプラグマティストであると主張する。

また別の人々は第一次政権以前からの全期間を通じて彼がなしてきた歴史修正主義者としての言動の長大なリストを根拠に、彼を極右的な見解を持つ「信念の」政治家であると見なしている。

2013年12月、彼の政権発足1年を期しての彼の突然の靖国神社参拝によって、この議論は後者の見解に最終的に決したように思われる。しかし、今でもまだ安倍と彼の擁護者たちはこの参拝は戦死者を慰霊し、不戦の誓いをなすためのものであると主張して、安倍が軍国主義を復活させようとしているという批判を退けている。

私は安倍と彼の友人たちのこのような主張は不実なものであり、彼は日本を右傾化させているという判断に与する。それだけにはとどまらない。私の考えでは、日本政治の右傾化傾向はすでに20年前から始まっている。

言い換えると、安倍の右翼的な政策はここ何十年かにわたって日本の政治を変容させてきた右傾化傾向の一部(それが重要な一部であるにせよ)に過ぎない。

安倍が政権にある間に日本をさらに日本を右傾化させるにせよ、しないにせよ、この右傾化傾向は彼によって始められたものではなく、彼が退場すれば終るというものでもない。そのことが重要なのである

引用元
2014年3月16日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 気になるネット情報から / こんなことあんなこと |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/trackback/678/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません

0 件のコメント:

コメントを投稿