2010年1月4日月曜日

地球と生命/その進化  その4



画像は現生のストロマトライト

<地球と生命/その進化>    荒木泰治

4) 生命出現と鉄鉱石層の形成
生命の進化過程での重要なステップは酸素発生型光合成生物ストロマトライト(シアノバクテリア)の登場である。これも西オーストラリア・ビルバラ地域南部のハマスレー盆地27億年前の堆積層から直径1センチ、高さ5センチの柱状化石の密集として発見された。

現存するストロマトライトの研究結果に基づき、この化石群が酸素発生光合成能力{注5}を持つシアノバクテリアと結論され、浅海の有光帯に作ったコロニー状の構造物であったと理解されている。このシアノバクテリアこそが世界を変えた主役であった。

この大量のストロマトライト化石の産地である西オーストラリア・ハマスレー盆地が鉄鉱石の大きな産地であることは鉄鋼業関係者のよく知るところである。又、鉄鉱石産地として有名な北米五大湖の一つシューペリア湖の南部地域にも長さ9cm、幅1mのグリパニア化石(リボン状で単体生物最大の化石)が見出されている。これら生物と鉄鉱石とはどのように結びつくのであろうか。
40億年前まで続いた隕石重爆撃期に地球に投下された大量の鉄の大部分は地球中心に沈み核として存在するが、マントルに残った鉄は溶存し、海水に多量の鉄イオンとして溶解していた。この時期は還元性雰囲気であり、鉄も酸化されることはなかった。そこに27億年前頃から太陽光の届く浅海に発生したシアノバクテリアは細胞分裂を繰り返しながら光合成反応により酸素のアブクを発生させた。

この酸素により鉄は酸化され沈殿することになる。こうして出来たのが縞状鉄鉱層(Banded Iron Formation= BIF)である。ここには珪酸系層と鉄鉱層が縞状に堆積している。BIFの堆積年代は35億年前から6億年前までの長期に及ぶが、そのピークは25~20億年前頃であった。この5億年間に大量の酸化鉄が世界中の海底に堆積したのである。これらは後の海洋プレートの活動により、主としてマントル内へ、そして一部が地表に出て、現在我々人類がそれを利用し、鉄の時代を謳歌しているのである。
(現生のシアノバクテリアー藍藻)
BIFのピークが過ぎた20億年前頃になって酸化される鉄が減少すると、大気に酸素が増加し始め、地球は還元性から酸化性へと移行してゆく。光合成で酸素を排出するシアノバクテリア自身はもともと還元性の生まれであり、それ自身の細胞内で酸化性環境への対抗策を講じなければならなかった。即ち、鉄鉱石層形成の終焉は地球上の生命が次の進化へ進む引き金となったのである。

{注5}:光合成とはバクテリア、藻類など葉緑素を持つ生物が光のエネルギーを利用して二酸化炭素と水からグリコース(ブドウ糖)などの炭水化物と酸素を作り出すこと。地球の生物にとって役に立つエネルギーは全て光合成によってもたらされる。光合成なしでは全ての動物は存在できない

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